Novels(with G)

□空虚
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 空しくて…
 虚しくて…

俺の愛しい人は
常に自由を求め
干渉されることを嫌った
そんな彼女を格好良いと思った瞬間…恋に堕ちたんだ

「陽一が望む時に望むことしてあげられないかもしれないよ?傍に居て欲しいって思う時にも居てあげられないかもしれないし…私、縛られるの嫌いだから。」
「わかってる。俺はそんなゆっこ好きになったんだから。…俺と付き合ってください。」

彼氏と彼女の関係になってから気付いたことだったけれど
彼女は俺が思っているほど強くはなかった
干渉されることを嫌いながらも
とても淋しがりやな彼女
弱さを知って 愛しさは増した

「一緒に暮らさない?きっと上手くいくよ、俺たち。」
ダメ元で震えながら発した俺の言葉に
縛られることを嫌う彼女は
意外にも快諾した

淋しかったの?君も
それとも本気で俺と居たいと思ってくれたのだろうか
…もう今となっては知る術もないけれど

すれ違う日々 それだけは避けくて
俺は出来るだけ彼女との時間をつくろうとした
寝る間も惜しんで 愛したいと思った
彼女の方から俺を求めてくることは数えるほどもなかったけれど
それでも幸せだった
彼女は俺を受け入れてくれていると…思い上がっていたから

気付いた時にはもう…遅すぎた
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