Novels(with G)

□返事
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「ハッピーバースデー!おめでとう、優。」
 そう言って、彼女は僕に抱き付いた。
「おぉ、サンキュー。」
僕は何気なく答えながらも、初めて2人で迎えたイベントに心浮かれていた。

 彼女と付き合い始めて4ヵ月、2人で喜びも悲しみも分け合ってきた。
 雨の降る夜は肩を寄せ合って強く手を握りしめ、仕事でツライことがあった時は互いに抱き締めあって朝まで温もりに包まれた。
 ずっと2人でいられたら、他に何も要らない…。

「あのね、プレゼント何買おうかすっごく迷ったんだよね。喜んでもらえるかわかんないんだけど…はい、コレ。」
 彼女は、僕の目の前にリボンが綺麗に掛けられた小さな箱を差し出した。箱を開けると、シンプルなシルバーリングが入っていた。
「ありがとう♪」
僕がそう言いながら、早速もらったリングをつけようとした時、内側に文字が入ってるのに気がついた。
“I LOVE YOU FOREVER to YUTAKA”
さりげなく彫られた、ありふれた言葉。それなのに、なぜだろう…ものすごく感動してしまった僕は彼女を強く抱き締め、そして優しく唇に触れた。
 僕が1番求めていたモノ、「永遠」さえ今は信じられる。そして今、君が求めているモノがなぜかわかる気がする。
 だから1ヶ月後の君の誕生日に僕は、リングを贈ろう。そしてその内側には
“I LOVE YOU FOREVER”
その言葉をしたためて…。



☆fin☆
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