短編2

□あしたから恋人ですから
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『私と付き合って下さいっ!』


部活に行こうと思って廊下を歩いていたら急に呼び止められて告白された。その子は隣のクラスの子で。…オレが密かに結構可愛いとか思ってた子で。びっくりしたけど、正直ラッキーとか思ってた。


『あっあの、私、隣のクラスのものですけどっ』

「あ、うん。知ってるよ」

『え!嘘っ!』


オレが彼女のことを知ってるって伝えたら彼女は驚いたように目を見開いて、それから何故か目を潤ませた。え、ちょ、泣かした?オレ何も泣かすようなこと言ってないよね?


『あのっ、私!』

「は、はい」

『全然可愛くないしっとりえとかないけど、でも栄口君のこと本当に大好きだしこの気持ちだけは誰にも負けないしっ、あの…絶対幸せにしますっ!』


突然ぐっと拳を握り締めたかと思うとオレを見つめて早口でそう言った彼女にびっくりして一瞬言葉が出なかったけど、だんだん顔が熱くなってくるのがわかった。いや、っていうか、今のって…。


「…プロポーズみたい、」

『えっ?あ、いや、そういうつもりじゃ…っ!』


だって幸せにしますって、告白っていうかプロポーズみたいで。告白されたことがそんなにあるワケじゃないけどそんなこと言われたの初めてだった。真っ赤な顔をしてオロオロしている彼女が今までよりももっともっと可愛く見える。…なんか単純だけどオレ今の告白でこの子のこと本当に好きになっちゃったかも。


「じゃあ、よろしくね」

『…えっ?』

「幸せにしてくれるんだよね?」

『え、あっ…う、うんっ!任せてっ!』


オレの言葉に顔を真っ赤にして頷く彼女を見て自然と頬が緩む。彼女といれば本当に幸せになれそうな気がする。なんだか心からそう思えた。










あしたから恋人ですから
(…っていうか、なんかすでにもう幸せな気分なんだけど)

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