BASARA夢小説
□隠密の恋
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─しくじった。
今の現状を簡単に説明すれば、殺されかけ寸前ってかんじです。
フリーの殺し屋は依頼された仕事は完璧にこなします。まあ、出してくれるもんそれなりに出してくれたらの話しだけどね?
自分でいうのもなんだけど、結構優秀な忍びなんだよねー私。
んで、なんと今回の依頼はかなりのお偉いさんからで。
真田幸村を暗殺してくれって。前金だけで結構貰っちゃったんだよねー!もうやる気満々で真田幸村暗殺しに、城内に忍んだまでは良かったけど。
…猿飛佐助。
こいつがいることを忘れてた。案の定、あっさりと捕まってしまって最初の説明に戻るわけなんだけど。
「─でさ、あんたは一体どこの刺客な訳?」
私の首もとに武器をあてて、軽い口調で話す猿飛佐助。ただし目は笑ってない。
『刺客じゃないよ。私はフリーの殺し屋だもん。』
「フリーの…ね。でも誰に雇われたのくらいは自分の口でいえるでしょ?」
『…あはは、さすが噂にきく猿飛さん。強いデスネー。』
「何話しそらしてんのー?さっさと俺様の質問に答えなよ。」
武器が喉にくっと触れて、嫌な汗がどっとふきでた。私が口を割るのも時間の問題かな。
『…ふんっ!だーれがあんたなんかに言うもんですか。』
一応これでもプライドはあるからね、優秀な忍びとして。
ばれるくらいなら、舌を噛み切ってやる。
私は舌に歯をたてた。
…はず。
歯に力は入ってるんだけど舌に痛みもなくて…あれれ?
見ると噛んでいたのは猿飛佐助の手。
「あんた腕は立つみたいだし?真田に味方してよ。」
『は?』
「死ななくてすむし、給料もでるし。悪い条件じゃないでしょ?」
…馬鹿なの?
あんたの主を殺そうとしていた奴に勧誘って、
このまま手を噛み切ってやろうと思ったけど、さっきと違って和らいだ猿飛佐助の表情のせいで気はおきなかった。
なんか、調子くるう。
『…いいの猿飛さん。私、裏切るかもよ。』
「裏切るって?」
クスッと笑った猿飛佐助は私の耳元で囁いた。
隠密の恋
「裏切られなくなるほど俺様に惚れさせてやるよ。」
そう言って再び微笑んだコイツに、不覚にも惚れてしまった。
お題だったやつ
あ、この後ヒロインはもちろん真田に仕官しますよ?笑
あの声でそんなこと囁かれたら鼻から赤い汁が止まらなくなりますね!子安クオリティ。
加筆:20081103