オリジナル長編小説

□序章
1ページ/3ページ




[???]


暗い暗い暗い…

そんな暗闇に包まれた部屋の中に淡く光る魔方陣があったその光は僅かなものだった

そんな部屋に一人の少年がいる
少年は何かを決めかねている様子であった
少年は目を閉じた

しばらく目を瞑っていた少年であったがようやく目を開いたようだ
その目は先程の何かを決めかねている目ではなく何かを決心した目であった


少年「では…行きます」

男「本当に行くのか?」


男は低い声で言った
30代、いや40代くらいだろう

どうやらこの部屋にはもう一人男がいたようだ
しかし男は魔方陣から離れた位置に立っていたので光が当たらなかったのであろう


男「こんな時にすまない…
俺を…恨んでいるか?」


男は肯定の返事がかえってくるのを確信しているかのような様子でたずねた

しかし…

少年は首を横に降った
男はかなり驚いたようだ


少年「確かに恨んだ時期もありました
あなただけでなく世界全てを……
でももう恨んでいません
むしろ感謝しています」

男「感謝だと!?」

少年「はい
俺は生きる為に足掻く事が出来る
それはとても幸せな事です
それすら出来ない人達を俺は沢山見て来たから…」


男は苦痛そうな表情をした


少年「後の事は頼みます」


少年はそう言うと魔方陣の中央へと歩いて行った
少年が魔方陣の中央に到着すると今まで僅かな光しか発していなかった魔方陣が目も開けていられない程の輝きを放った

輝きはおさまったようだ
そこには男の姿だけで少年の姿が見あたらなかった


男「死ぬなよ…」


男はそう呟くと暗い部屋を出て行った
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ