□されてみたい
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「ヅラ…」

是でもか、と云わんばかりの甘い声で気に食わない名を呼ばれる


「ヅラじゃ…ん、ふ…ッ」

そして是でもか、と云わんばかりに甘ったるく口唇を貪られる

ああ頭が蕩けそう

「小太郎可愛い」
「ん、はあ…ぎんとき」

息を調えながら胸に頭を押し付けると
銀時が好きだと云った桂の髪を優しく撫でる

「ぎんとき‥」

とろん、とした瞳で見つめてくる桂を
ぎゅっと抱いてやる

(ああ、今すぐにヅラが食いたい!でも此処で負けらんねえ)

「ヅラから貰った水羊羹でも食うか」
「な…ッ」

美味しそうに艶づいた桂をそのままに
茶を煎れろと強請る


「あ、ああ…」



*********

通常モードの銀時に
躰の疼きと悶々とした気持ちの澱を悟られない様
他愛のない話をして帰路に着く


「はぁ…」
力なく溜息を漏らす
原因は銀時だ

最近の銀時は以前の様に襲って来ない変わりに
口付けだけして終わる
しかも飛び切り甘いやつを


(是では生殺しではないか!それとも銀時に飽きられた?…否、飽きたらあんな接吻など…しないな、うん、しない、多分、あ、でも銀時どSだし)


疼く躰とぐるぐる廻る頭を抱え
それでも姿勢良く歩く



隠れ家に着いた桂は
エリザベスにお使いを頼み部屋に籠もる


(こんな事するなんて屈辱だ)
桂の思考と行動が噛み合わない

袷を開き少し汗ばんだ胸と太股に指を滑らす

銀時の指使いを思い出しながら
「や‥だぁ…」
(銀時のいじわる)

自然と後ろが彎つく

達しそうになるのを堪えて指を嘗める
「う‥ふぅ……此、処‥されたい、あ…んッ」

情けなさに涙が溢れるが指は止まらない

「ん…銀時…」

焦らしながらなぞる先端はぬるり、とする

「ぎ‥ときぃ…ッ」

「呼んだ?」
耳元で甘く囁かれビクッと躰を震わせる


「ッ!ぎん‥なんで?」



質問には答えずに

「ヅラは何時もこんな事してんの?」
と云いながら桂の手に手を重ね扱いてやる

「うッ…やめ、ぎ…、んんッ」

くすり、と笑い後ろまでと付け足す

「違…ッ、たまたま…、はあ…ッ」

「俺の名前まで呼んで」
いじわるに笑う

「銀時が、最近‥ん…はッああッ…」

「しないから?」

堪えられないといった風に涙をポロポロ溢しコクコクと頷く

(うわぁー…ヤベえよコレ)

「小太郎は、どうしたい訳?」嬉しそうにニタァ、と笑う

唇をきつく噛んでふるふる、と首を振る

「云えない様な事なんだ?」

意地悪に一瞥をくれてやると
桂が上目遣いに睨んでくる


「ふふっ、涙溜めて首まで紅くしちゃって…銀さん堪んない…」


先端に人差し指を触れるか触れないかで当て
桂の弱い耳元で熱い吐息と共に囁いてやる

「ふっ…う…ん」

とろり、ともたれかけた桂を躱し

「じゃあ、俺邪魔しちゃ悪いから帰るわ」

桂が助けを乞う様な視線を投げてくる

(ゾクゾクする…)


立ち上がろうとする銀時の帯を掴んで引き止める

「うぅ…待て…銀‥ときぃ、て…えっく…」


そして如何にも屈辱といった顔で見上げ

「俺を…抱…け」と云うと
胸に顔を埋めてしゃくり上げる

「はい、良く出来ました」
「なん‥だソレは…ぁッ」
「おねだりされたかったの」

ニマリと笑う銀時を力を入れない拳で叩いてくる


あやす様に背中を撫でながら

滴る様に熟れた桂をゆっくりと押し倒した




*********

「お前、本当に中学二年生だな」

「どういう意味だ」

「こういう意味」





おしまい

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