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□ばちあたり
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ひやり、足首に纏わり着く冷気
振り解く様に足早


祭りの名残すらない神社
境内の裏手


「辛気臭ェ…」



砂利が鳴る

「何なんですか?」こんな処に呼び出して


ニヤリ、無言で近寄ると
脱がしに掛かる


「ちょッ、アンタいきなり何してんのォォォォォ?!」
「寒ィ…」

「寒いのはこっちですよ」
肩を竦める間にも剥いでいく


「なんとかしろ」
寒くて死にそうだ


「なんとかって、そんなに前開けてたら寒いでしょう」

そう云う新八とは裏腹に
指が肌を滑る

とくり、
其処から躰が蕩ける支度

お互いの呼吸が乱れ始める


「クククッ…罰当たりなガキだなァ」
そう思わねェか?新八ィ

「アンタに云われたくないですよ」



立ったままの高杉の裾を割り
舌を這わせ掻き回して来る


足りない、


その髪を鷲掴むと視線まで上げる


「まどろっこしいんだよ」
早くしろと腰を突き付ける


「こんな場所で…最悪だ…」


何時だか訊いた
寧ろ言葉を滑らせた

幼少の新八が遊んだ場所

上書きしてやろうと足掻く


穢せば少しは寒さも紛れる
否、逆だ


新八を納めた其処と
向けられた視線だけが
拷問の様に熱い


「僕はそれ位じゃ穢れませんけど」

見透かされたと筋肉が固まる


「アンタ抱いて免疫着いてますから…」
「はぁ…ッ、ナマ云うな…、くそガキが」


其の言葉に弛緩すると

ゆるく引き寄せ
べろり、新八の舌を嘗める

罰当たりな小僧がノッて来る


嗚呼…熱い

腰をくねらせ
まるで自分を壊す様に動く
荒い息遣い
内側が異常に脈打つ



意識の遠く
好きだと聽こえた


空耳
幻聴
風の音



飛沫ごと寒さが消えた





КΦNЕС



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