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□だんをとる
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纏めた落ち葉に火を入れると、
何やらくべて立ち上がる



新八は恒道館の庭を見渡し
満足気に頷く



(利休が見たら怒る程にキレイだ)


すぅ、と深呼吸をすれば



「ガキが火遊びたァ感心しねェなァ」

視線の先には、あの男



大袈裟な溜息と共に


「何しに来たんですか?指名手配犯が」

顔も見ずに云ってやる

が、通り過ぎた言の葉


「ククッ…つれねェなァ」


人の家の縁側に腰掛け
瓢箪から酒を呷る


(まったく…)


隣に座り
ぼんやり爆ぜる火の粉を眺める


「ねえ、高杉さん」


少しだけ髪が揺れるから
言葉を続ける


「高杉さんは…」



それを遮る様に立ち上がり拒絶の一瞥


何に怯えているのだろう


少なくとも新八の目に映る高杉は震えた様に視える



「なァ…」
「はい?」

「俺ァ、火遊びってェのが最近好かねえ」



きょとり、その後、くすり


「それから生まれる楽しみもありますよ」



新八は銀時と神楽に渡す筈のそれを取り出す



「クククッ…、俺ァガキじゃァねェよ」



細められた右目はあどけなく
弧を描いた口元は嬉しげ



何時だったか
ふらり、この縁側に現われた時と違う印象に


きう、と鳩尾が絞まる


「それより…」

首に巻き付く腕
優しさと諦め



「暖でも採るんですか?」
「ククッ…違ェねえ」


今夜は
何時暴れるか知れない猫を懐に入れて暖かに眠ろう






КΦNЕС





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