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□がんじがらめ
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重ねた肌の隙間から


ぽろほろ、微熱が零れ



それが刄に変わり
ふたりの躰を

やさしく優しく傷付ける



泣きそうになるのは
何でだろう



気味が悪い程
あまく甘く縋る

高杉の喉元に
ゆるく歯を立て咬み付く



この忌むべき不毛な逢瀬は
あと何回あるのだろう



「余計な事…、考えてんじゃねェ…ッ」




ぎりり、爪を立て
絞め上げられた首


その指先が泣いているから



「引っ掻かないで、晋助さん」



愛おしげに瞳を細め


頬に手を添え
包帯に唇を落とすと



「好きですよ、アンタの事」


離さない様に
より、きつく深く繋がり


浮かされた唇は
残酷な言葉を紡ぐ



「んっ…やめ‥ねェか…ッ」
「やめませんよ」



何時居なくなるとも解らないのなら


逃げられたって好い


今は気付いた気持ちで
雁字絡めにしてやる













КΦNЕС





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