蒼の民の血と共に
□N.はじまり
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さわさわと木々が風にゆれる音がする。
こんなに緑にあふれた場所初めて来た。
一体どこなんだろう。
周りには誰もいない。
友達だったあの子達もいつも気を使っていた両親もいろいろ教えてくれた長老さまも。
いや、遠くに誰かいる。
男の子だろうか、二人いる。
黒い髪の男の子が怪我をしていて金髪のほうが一生懸命治療している。
・・・・・・怪我?
医者としての本能でとっさに駆け出す。
手にしていたナイフで腕に傷を作り血を流す。
こちらに気がついた二人が驚いている。
そりゃ腕からだらだら血を流した女の子がすごい形相で走ってくれば自然とそうなるか。
でも、私は医者だから。
蒼の血の民(ブルーラムン)だから。
怪我をしている人を助けなくては。