蒼の民の血と共に

□T.さいかい
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道を歩いていたら急激に景色が変わった。


正直またかと思う。
そりゃ最初のうちは驚いていたが三度目ともなるといいかげんにしろと言いたくなる。
今までの経験からして近くに怪我人がいるはずだ。
幸い旅に出る支度を整えたところだったので薬も薬草もたっぷりとある。
だけど早めに現在地を確認して手紙を送らないとあの人は心配するだろうしな。


きょろきょろと辺りを見渡してようやく川のほうに人影を見つけた。

「すみませーん」

大きな声をあげながら近づく。
途端に先ほどまでほのぼのとしていた二人の気配が鋭くなる。
水から勢いよく出て川原においてあった剣を掴みこちらに対峙する。


その内の一人がどうも見たことがあるような気がしてならないのだが。

「ウォル!?」
「シオン!?」

向こうもこちらに気がついたようで驚きの声を発してくる。
慌てて剣を収め傍らにいた金髪の子にも同様の仕草を促す。


二人が落ち着いたのを確認してゆっくりと近づく。

「えっと、本当にウォル、だよね」
「そちらこそシオンか?見違えたぞ」

そういっておどけたように笑う。
その顔はずっと前に見たきりのスーシャのウォルそのものだった。
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