山田花子ものがたり
□1-3
1ページ/3ページ
ホグワーツレイブンクロー一年生 山田花子
成績優秀、眉目秀麗、スポーツ万能
そんな彼女の唯一の欠点は
貧乏なことである。
山田花子物語 さらに続けて第三話
「みて、今日もいるよ」
僕たちがニコラス・フラメルのことを調べるため人気のない図書館に通っているといつも勉強している彼女の姿を見かけた。
彼女の名前は山田花子。
日本からの留学生でなかなかのお嬢様らしい。
頭もいいし運動神経だって抜群の彼女が注目を浴びないはずもなく、フレッドとジョージなんかはどうやってお近づきになるかを最近話し合っているらしい。
「あれ、でも花子が使っている文房具ボロボロだよ」
「ああそれはきっと、神様がいるからよ」
「神様?」
何言ってるのとロンが首をかしげた。
「あら、知らないの?日本には大切に使った者には神様が宿ると言われているそうよ」
「それで花子はあんなにボロボロになるまで道具を使っているんだね」
「本当だ。よく見たら服も相当着古した感じがしているし」
「食事を残す人に厳しいのもそのせいだったのか」
へーっと感心するハリーとロン。
「それにしても、何あんなに一生懸命勉強してんだ?」
ハーマイオニーの目が大きく見開かれた。
「ロン! あなた、そんなことも知らないの」
「叫ばなくたっていいじゃないか!」
当然のごとくマダム・ピンスに放り出されて時間も時間なので食堂に移動しながら話の続きを聞いた。
「彼女はね、奨学金をもらうためにある程度成績を維持しなくちゃいけないの」
「へー、ホグワーツに奨学金の制度なんてあったんだ」
「それにしても君、やたらと花子について詳しくない?」
「それは……」
ハーマイオニーは顔をそむけて少し顔を赤くした。
「私、花子と友達になりたいなって思っていたから」
花子はもちろん成績のための勉強もしていた。
が、それよりも食べ物を出す魔法の研究により熱心だった。