いつか
□第六話
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長い長い階段を抜けた後。
久しぶりに見た空の下に広がっていたのは見渡す限りの大平原。
吹き渡る風が妙に寒々しく感じるのは気のせいだろうか。
「ヌメーレ湿原。別名詐欺師の塒」
受験生に聞かせるようにつむがれる言葉。
今は見えないこの湿原での恐ろしさを淡々と説いている。
「騙されると死にますよ」
重々しく告げられた言葉がいやに耳に残った。
「嘘だっ! その男は嘘をついている!」
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