花、咲く

□八輪目
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その日、学園(いや、生徒共)はパニックに陥った。

「確かに俺は聞いたんだ…アリス祭3日目の「イベント祭」でそのメインゲストにあの「レオ」が予定されることを!」
どひゃー
「しかも、だ。その「レオ」が何と今日この学園の付属病院にステージの下見がてら隠密に検診を受けにくるという情報を手に入れたのだ!!」
ギャヒーン

さて、大騒ぎの原因は聞いてのとおり。
めったに外と触れ合う機会のないものだから、たまのイベントには相当はっちゃけてしまうのだろう。
にしても「レオ」。通称「赤毛のレオ」。本名「毛利玲生」
ここに酷似している世界では全くと言っていいほど聞かなかった彼は声フェロモンの持ち主らしい。
アリスの影響は大きく、聞いたことのない芸能人、歴史上の人物、組織などは大体がアリスだ。

「なあ、綾乃ちゃんも知らんかったよな?」
「え、ごめん聞いてなかったわ。どうしたの?」
「蜜柑ちゃんがレオのこと知らずに大騒ぎしていたんだよ」

さあ、ののしれっ!って君ね。
私のことを一体なんだと。
それはともかく。

「残念だけど……。私も知っていたわ。と言うかあなたどうして知らなかったの」
「綾乃ちゃんの裏切りもんー!」

はいはい、と軽くあしらっていると遠くから声が響いてきた。
ああ、久しぶりに呼ばれたわ。
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