山田花子ものがたり

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「いやー、ホントに助かったよ。イギリスに来たはいいもののどうやったら魔法界に行けるかさっぱり分からなかったからね」
「花子にそっくりだったから思わず声をかけたのよ」
「ありがとう。うちのお父さん放っておくとどこまで行くか分からないからホント助かった」

今ごろ日本の我が家では大騒ぎになっているだろうな。
主にお兄ちゃんが。イギリスまでの飛行機代、どうやって手に入れたのか聞くのが恐いもの。
後で手紙を書かなくちゃ。
お父さんは先ほどから魔法使いにとっては当たり前のあれこれに感動している。
日刊預言者新聞をすらすら読んで、爆笑したり。
魔法での掃除や料理に目をキラキラ輝かせたり。

「それで、いつ頃帰る予定なの?」
「え〜、飽きるまでここにいたいな」
「スージー…」
「別にいいわよ。カズオってかっこいいし。おもしろいし」
「私も賛成。はあ、本当に目の保養」

と、家主である母娘が許可を出してしまったのでお父さんはクリスマス休暇の間はこの家に滞在することになりました。
お母さん、お兄ちゃん、止められなくてごめんなさい。
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