山田花子ものがたり

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日本、某高校、入学式

「ところで山田くん。お姉さんか妹は」
「いるよ。13歳。あと9歳と7歳と…」
「13! 2つ下! ぜひその妹さんを紹介してください」
「今、全寮制の学校に留学中なんだ。あと5年は帰ってこないよ」

ざわ

「聞いた? 留学ですって」
「全寮制ってことはパブリックスクールよね。いったいどこかしら」

こっそり見目麗しい彼らの会話に耳を傾けていた女子が騒ぎ出す。

翌日瞬く間に広がっていった噂はとんでもないことになっていたが、その中でも一際有力なものとして流れていたのが「イギリスの貴族」に関するもの。
靴下を繕い、鉛筆を継ぎ足して使う姿を見て彼等は囁く。

「イギリスのやんごとない身分の人は物を大切にするって言うけど本当だったんだな」
「じゃあやっぱりイギリスの貴族の流れをくむご出身なのかしら」
「きっとそうよ。あの周囲に漂う高貴なオーラがそれを証明してますわ!」
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