山田花子ものがたり

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ホグワーツレイブンクロー三年生 山田花子
成績優秀、眉目秀麗、スポーツ万能
そんな彼女の唯一の欠点は

貧乏なことである。


山田花子ものがたり

お久しぶりです。
今年は新学期早々にホグワーツ特急が吸魂鬼とやらに襲われたり、その吸魂鬼が学校で見張りをしていたりいろいろ大変なことになっています。
そんな中私は、新任のルーピン先生と時々お茶をする仲になりました。
入学式でのボロボロのローブを見たときから何か共感するものを感じていたのですが、ある日確信しました。
この人もとてつもなく貧乏だと。
きっかけはともあれたびたびお茶会を開いては、飢えを凌ぐのに最適な行動はなにかだとか、食べられる野草の種類とその調理法といった論議に花を咲かせたりしています。
今日はルーピン先生にサバイバル生活に役立つ幾つかの呪文を教えてもらう約束です。

「まず最初に虫除けの呪文かな。これはとても簡単な呪文だ。プロヴァンス、虫よ去れ。さあ言ってごらん」
「プロヴァンス、虫よ去れ」
「オッケー完璧だ。次は、そうだな。何がいいかな」
「お湯を沸かす呪文とかありますか?」
「う〜ん。僕は火を出してそれで沸かしていたけど」


基礎呪文集に載っているものから、生活に役立つ呪文まで網羅してくれるルーピン先生との授業は花子は気に入っていた。
しかし花子は気がついていなかった。
花子が誰かと二人っきりのお茶会をしている。
この事実をみて周囲がどのような反応をしてしまうかと言うことを。



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