山田花子ものがたり

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花子はハッフルパフの寮がある塔を彷徨っていた。
目的地はあるにはあるが場所がさっぱりわからないために暇な時間を見つけてはこうして校内を歩き回り探しているのだ。
その目的地の名は厨房。
その場所を知っているのはホグワーツ内でも数えるほどしかいないらしいが、その噂になっている人たちの誰とも接点がないために花子は自力で捜索を続ける。
その噂の人物の一員として真っ先に名があがるのはウィーズリーの双子である。
名前は確かフレッドとジョージ。
クディッチのビーターをやってたり悪戯仕掛け人として名を馳せていたり色いろと目立つからだろう。
レイブンクローの生徒が直接被害を受けることはほとんどないが、廊下が通れなくなったりと間接的な被害はたびたび被っているので彼らへの評価はよくもなく悪くもなくと言ったところだ。
途中で絵画たちに道を尋ねながら歩いていくと、今日の探索終了の目安としていたハッフルパフ寮の入り口まで辿り着いてしまった。
花子は深々とため息をつきレイブンクロー寮へと足を向ける。

「今日も見つからなかったな…」
「何がだい?」

突如後ろからかけられた声に驚き、素っ頓狂な声をあげてしまう。
振り返れば先ほどまでは誰もいなかったはずの場所に燃えるような赤毛の二人組みが手にいっぱいの食料を抱えて立っていた。
ほんのさっきまで考えていたウィーズリーの双子の兄弟だ。

「それで、日本の姫君は一体何をお探しだったのかな」
「ひ、姫君?」

呼ばれなれない呼称に少々戸惑うも質問には丁寧に返事を返す。

「実は、厨房を探しているんです」
「厨房?」
「一体なんだってそんなところに」
「それなら今しがたまで僕らはいたのに」
「と言うか入り口はすぐそこだよ」

厨房、あっさり判明。
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