いつか

□第十三話
1ページ/5ページ


「ああ、そういだった。お前にお前から伝言だ」
「……何言ってんのお父さん」
「うるさい。『「大魔境」でよろしく』だとさ。って何だその顔」
「えーだって」

分かる人ならなんとなく分かってくれないかな。
大魔境といったら名脇役も印象的だが、私は個人的に未来の皆が助けに来たシーンが好きだったんだよ。
つまり伝言を解釈すると“ちょろっと過去まで助けに来てね”ということだ。

「ねえ、お父さん。念のために聞いておくけど私が二人同時にいたなんて事あった?」
「すぐ横でぐっすり眠っているやつから電話を受け取った記憶ならあるな」

ああ、そうですか。分かったからそんなそんな恐ろしい声を出さないで。
えっと、てことは試験終了直後ぐらいに戻れば問題ないのかな。

「ハァ。それじゃあちょっと行ってきます」
「コラ、待ちなさい若菜。あなた一週間も眠っていたのよ。何か食べていきなさい」

ハーイと元気よく返事をしてグルメテーブルかけを広げる。
やっぱりここは病人食の定番おかゆだよね。
シンプルな卵粥を出してふーふーと冷ましながら食べる。
っと。あれ、どうしたのポンズさんそんな顔して。

「な、何よその布!どうして食べ物が出てくるの!?」
「へえ、あんた見るの初めてか。便利だぜ、コレ」
『ハンバーガー』と勝手に注文しながらそういうレオさんはもう慣れたもの。
修行のときにいろいろあったんだよ……。

「よし!ごちそうさま」

タイムマシンへの入り口はもちろん机の引出しにしてある。
だからとりあえず机をお取り寄せ。
机を選ぶときただひたすら引出しの形だけを見て選びました。
そのこだわりの引出しを開けて中に飛び込む。

「行ってきま〜す」

ああ、タイムマシンはドラえもん使用の安物じゃなくってドラミちゃんが使っているチューリップの形したあれ。
だってドラえもんのほうすぐ壊れるし。

「ねえ、あれは何?一体何なの?」
「落ち着け。気にしたら負けだ」

そんな会話が聞こえた気がしたが気にしない気にしない。
さあ、過去へ向かってレッツゴー!



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ