とりかえばや
□No.2
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「それで、お前は何もんなんだ」
「え、一年A組倉沢巧」
「そんなこと聞いてるわけじゃねえぞ。分かってるだろ」
「ハハハ。何のことだか」
にしてもこの気迫。
さすが本物。
不良同士の喧嘩とは違う。
うっかり気を抜いたら倒れてしまいそうなぐらいだ。
「まあ冗談は置いておくとして」
「やっぱりか」
「まあまあ。といっても普通の家に生まれた普通の人だよ。たぶん」
まあたぶんだ。
黒曜中の元番長であの雲雀恭弥とも縄張り争いをしていたことがあったり、小学生で裏番はっちゃってたりする兄弟が普通に入るならだが。
揉め事を起こすたびなぜか俺が後始末に呼ばれた。
一体どれだけ苦労したことか。
「大丈夫。積極的に関わろうとは思ってないから。あいつらはただのクラスメイト。そっちが何かしてこない限り俺も何もしないさ」
「…『あいつら』か」
ん、あれ? しまった。
この時点ではまだツナしかクラスメイトじゃねーや。
三人組って印象が強かったしな。
けど、ここでこんなことを言ったりしたら……。
「お前、ファミリーに入らねーか」
ですよねー。