とりかえばや

□No.8
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全力で気配を殺していた委員会も先ほど無事に終了した。
会議中にいらん発言をしていた奴らはどこかへと連れ去られていった。南無。
それにしても、よかった。存在を感づかれないで。
ひょっとしたら、明日応接室に突入とか言う事態に巻き込まれるかもしれないが。
そうしたら、仮病でもなんでも使う。
諸事情により、できるだけ雲雀さんとの接触は避けたいのだ。
どちらにしろ今日のところは問題なさそうだ。
意気揚揚と教室に戻り、さあ帰ろうとしていたところだった。
目の前に黒い壁が立ちふさがった。

「倉沢巧だな。委員長がお呼びだ」

……。
やっぱり気がついていたか。
幸いなのは教室には人が居らず目撃者が皆無だったことぐらいだろうか。
俺は無言で学ラン生徒の後に続き、応接室へと向かった。
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