とりかえばや

□No.9
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ドンと大きな音が秋空に響く。
雲ひとつない晴天。
本日は並盛中学校体育祭。
なぜか例年異様なまでの盛り上がりを見せると言うこの体育祭、爽やかな天気と対照的なまでの雰囲気の中開始された。

「極限に優勝を目指すぞ!!」

相変わらず熱い男は周囲の雰囲気など全く気にせずにはじけている。
俺は運動神経はいいほうだが体育会系ではないのでそれなりに参加している。
参加種目は徒競走とリレー、あと玉入れ。
本来なら最終種目棒倒しは男子全員参加であるのだが、権力(風紀委員)を利用して何とか除外してもらった。
その代わりに黒曜側の情報をいくつか吐かされたが問題ないだろう。どうせ雲雀には勝てやしないし。
昼食の騒ぎも我関せずを貫いた。
本当に関わりたくなかったんだ。
両親と一緒に平和な昼食の時間を過ごしたさ。
その後A組対BC連合の対決が決まったとみんなが騒ぐ中、まったりとりんごを齧っていた。

「ん? お前A組じゃなかったか」
「そうだけど、さすがに棒倒しは不参加だから特に関係ないよ」
「そう。ならよかったわ」

ちなみに兄弟の来場は拒否した。



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