とりかえばや

□No.9
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「はあ」

ため息をつきながらとぼとぼと歩く。
ただでさえ熱があって調子が悪いって言うのに、リボーンやらリボーンやら獄寺君やらリボーンやらのせいですごく悲惨な状況に追い込まれてしまった。
そもそもどうして一年のオレが棒倒しで総大将をしなくてはいけないんだ。
それを考えたらお兄さんの影響もとてつもないよな。
大体大将とかリーダーとかそんなのは大体委員長が。
ってあれ?
この体育祭、委員長全く目立っていない。
今の事態の発端となる話し合いの席ですら、いつもは自然と獄寺君をなだめてくれていた委員長が発言を全くしなかった。
どうしてなんだろう。
そんなことを考えていたからか、目の前から委員長がやってくるのが見えた。

「あ、委員長」
「おう、ツナ。がんばれよ」
「ってなんで他人事なの! 委員長も参加するんでしょ」
「え、何言ってるの。俺は棒倒し不参加だよ」
「なっ!!」
『棒倒しに参加する生徒の皆さんは所定のゲートへ集合してください』

疑問をぶつける間もなく集合を告げる放送。
直後現れた生徒の群れに押し流されて、結局そのまま競技が始まってしまった。

あの時オレを見送った委員長のにこやかな笑顔を忘れることはないだろう。



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