とりかえばや

□No.9
3ページ/3ページ


棒倒しは強制終了。
それにしても並中の生徒の将来が本当に不安になる。
いくらなんでも騙されやす過ぎやしないか?
まあそれはリボーンの擬態に気がつかない奴ら全般に言えることだが。

閉会式がなあなあで済んでしまった後、委員長の義務ともいえる会場撤去の手伝いを終え教室へ戻るとツナの哀れな姿があった。

「……強く生きろ」
「何を言って立ち去ろうとしてるの! というかそれよりもどうして委員長棒倒しにいなかったの!?」
「あー、それはだな」
「それは?」
「おーい巧! 一緒帰ろうぜ」
「おう。それじゃあツナまたな」

さて、どう答えたものかと考えていると、折りよく友人が訪れたので質問を放り投げそのまま一緒に抜け出すことにする。
棒倒しに参加しなかった理由は、医者の診断書だとか、決して乗り越えられない壁だとかいろいろ建前的なものは存在しているのだが。
本音をぶっちゃけてしまえば「面倒だった」。
もし先日風紀委員との顔合わせが済んでいなかった場合には、昼食時にツナの周りをうろつきもれなく腹痛を起こす予定だった。

「そういやお前、棒倒しにいなかったな」
「どうやったんだ?」

先ほどのツナの叫びはコイツラにも聞こえていたらしい。
今まで気がついていなかったのだろうかコイツラは。

「そうだな。言ってもいいが、絶対に真似できないと思うぞ」
「言うだけ言ってみろって。もしかしたらという希望があるかもしれないし」

「じゃあ言うぞ。風紀委員長に直談判」

「「無理」」
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ