Nightmare NARUTO 2
□中指
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日向家の本家には
温泉宿に引けを取らないくらい立派な浴場がある。
ヒアシの趣味なのだろうか。檜の香り高い大きな内風呂と
広大な庭の一角に切ってある露天の岩風呂は掛け流しの本物の温泉で
本家での訓練の後
そこで汗を流していくのが
ネジの楽しみの一つでもある。
露天風呂からの眺めは冬の雪景色もいいが
紅葉の今頃も素晴らしい。
手入れの行き届いた庭だが
落ちた葉を全部片付けるような無粋な真似はしない。
絨毯のように降り積もった紅葉を眺めながら
ぼんやり物思いにふけっていると
入り口で気配がして
ヒナタが入ってきた。
「ネジ兄さん、お背中お流しします。」
着物の裾をからげた襷姿で当たり前のようヒナタが初めてネジの入浴中に入ってきた時には心底驚いたが
ヒアシが入浴するときには必ず誰かが背中を流しにくるのだそうで
その流れでヒアシが
ネジの時にもそうするように言いつけたのだそうだ。
血が繋がっているとはいえいとこ同士。
若いネジとヒナタの間に間違いがあるかもしれないとは思わないのだろうか。
いや。それとも間違いがあってもよいというヒアシの深慮遠謀なのかもしれない。