BL NARUTO

□君の笑顔にはかなわない
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思いがけず任務の報告が長引いて遅くなってしまったが

そのおかげでいいこともあった。

ちょうど仕事帰りのイルカ先生にばったり会ったことだ。


メシまだならご一緒しませんか?

屈託ない笑顔でのお誘いに
心中では万歳三唱、でも表面上はあくまでさりげなく
イイですねぇ、
あ、オレ、最近イイトコ見つけたんでご案内しますよ。
などと言って
食事だけを飲みに持ち込むことに成功した。



日だまりのような優しい笑顔。

これまで100回は押し倒しかけて100回思いとどまってたのは
この笑顔を曇らせたくない、
ただそれだけだった。

任務でもプライベートでも
オンナでもオトコでも
いとも簡単に寝てきた俺が
もう何年も手を出しかねているなんて笑える、
っつうか、自分の意気地のなさに悲しくなる。


多分、一時の快楽と引き換えにするには
あまりに大きい代償なのだ。
この人の笑顔は。



しかしそうはいってもオトコの悲しい性なのか
こんなに近くで見ていると
ついつい頭の中で不埒なことを想像してしまう。


あまり酒は強くないイルカ先生は
耳までいい色に染まっていて
そそることこの上ない。

裸に剥いたらきっと首筋も胸も赤いんだろうな。


そんな黒い妄想をなんとか振り払いつつ、
イルカ先生の笑顔を心ゆくまで堪能した。
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