初恋 修正版

□STAGE.2
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1998年2月

「ね〜ね〜斎藤さん、今日の仕事って何??」


「4月から始まる新番組の顔合わせ。」

「ふ〜ん」


「てか昨日話しただろ?」


「そうだったんだ」


相葉ちゃんと斎藤さんのやり取りに我慢できなくなったのか翔くんが笑いながら言う。

「いや、"そうだったんだ"っておかしいから!!」


ニノは笑って


「んふふ、あいばか。」


と言った。


「一緒にやる人ってどんな人だろ?」


ちょっと心配そうに言う翔くんに
ニノがどうでも良さそうに


「さぁー」


と言った。



「新人って言ってたし、オレらと同じくらいじゃない?」


オレが言うと大野くんと翔くんが
同時に頷いた。



『コンコン』


「ハイ?どうぞー」

斎藤さんの言葉の後に
斎藤さんと同じ位の年かな?
の女の人が部屋に入ってきた。



「おはようございます。アナタ達も入って?」


女の人が声をかけると
5人の女の子が入ってきた。

「おはようございます!!」


「初めまして。Cherryを担当しております、杉本優子と申します。」


斎藤「初めまして。斎藤和幸と申します。」


とか言いながら2人は名刺交換をしている。


女の子達は"cherry"というグループらしい。


cherry の5人を観察していると斎藤さんがオレに


「潤、お前から挨拶しろ」

と言った。


「松本です」


オレに続いてみんなが名前を言う。


「相葉雅紀です!」


「二宮和也です」


「大野です」


「櫻井翔です」


オレ達の挨拶が終わると
杉本さんが


「あなた達も挨拶して」


と言った。


杉本さんの後ろにいた子から順番に 


「高野花菜子です」


「早瀬愛結美です」


「中村千紗です」


「浅野美紅です」


「佐野柚羽です 」



「よろしくお願いします」


と斎藤さんが言うと
杉本さんが


「TVも初めてなのでご迷惑お掛けすることもあると思いますがよろしくお願いします。」


と言った。



「確かうちの5人と同じ位の年でしたよね?」


と聞いた斎藤さんに杉本さんが頷いた。



へー…年近いんだ。


大人2人は楽しそうに話してたけど
オレ達は誰も話さなかった。


当然だろ?
大体オレ達は女に興味は無い。
顔がいいとか
連れて歩くと自慢できるとか
そんな理由で近づいて来る女は
一杯いる。
付き合ったとしても
こんな人だとは思わなかったと
何人に言われたかな?


そんなことばっかりで
女に対しては不信感しかない。

女なんてとりあえず
身体の関係だけでいい。


と思っていたから。
この時は。


まぁオレ達のこの考えは劇的に
変わるんだけど、この時はこんな感じだった。







あんまりにもボーッとしてたからか
確か中村さんかな?
に話しかけられた。


「何歳なんですか?」


多分オレに話しかけたんだと
思うんだけど相葉ちゃんが


「中3ー!!」


と答えていた。



「マジで?うちと一緒や!!」


ふーん。



「マジで?」


「うん、皆さん中3なんですか?」


「イヤ、オレは1コ上の高1」


「じゃあうちと同じや!」


早瀬さんが言う。


「オレは翔くんの1コ上の高2」


「あっ、私と同じです」

高野さんは高2なんだ。



「オレは中2」


「私と一緒や!」


浅野さんはオレとニノとタメね。



『松本くんは何歳ですか?』


確かこの子は佐野さんだっけ?



「ニノと同じ、中2」



『マジですかー……みんな同じ歳の子がおっていいなぁ…私は1コ下の中1です』


へーこの子が一番年下なんだ。


「ん?てか、関西の子なの?」  


相葉ちゃんがそう聞くと、中村さんが



「うん、みんな大阪やで〜幼馴染みやねん」


と言った。



自己紹介?も終わってチラホラ話す。



女は嫌い。
でも5人共うまく距離をとって
付き合える。



てか、人当たり良く話すのは
得意だと思う。


端から見れば
すっかり仲良くなったように
見えるんだと思う。


「おっ、やっぱり年も近いし仲良くなるのも早いなぁ」


なんて斎藤さん言ってたから。



「ちょっと10人で待っててくれる?」



そう言い残して斎藤さんは
杉本さんと出て行く。



はぁ…10人でって言われてもな…



「ねー、千紗ちゃん達はさぁ、5人どういうグループなの?」

と聞いた相葉ちゃんに中村さんが



「来年の夏にダンスヴォーカルユニットとしてデビューするねんけど、一年間はTVの勉強とレッスンって杉本さんに言われてる」



「へー、オレ達と似た事するんだ」



「えっ?相葉ちゃん達もダンスヴォーカルユニットなん?」


中村さんの質問に思わずみんな吹き出した。



「えっ?うちなんか変なこと言うた?」


そう言った中村さんに浅野さんが


「イヤ?変なところはないと思うけど」


と言った。



相葉ちゃんが真面目な顔で


「オレ達の事知らないの?」


と聞いたら5人共真面目な顔で



「えっ?」


と言った。



その様子にちょっとびっくりしながら

翔くんが


「マジで?」


と言って、ニノは面白そうに


「へー……知らないんだ?」


と言った。



本当に申し訳なさそうに中村さんが


「ごめん、失礼かもやけどわからへん……うちらと同じ感じかなと思った」



何か面白そう。


「今回のがTVデビューなんだっけ?」


オレが聞くと中村さんが頷いた。



全然わからない顔をする5人に
翔くんが丁寧に話す。


「イヤ、まぁ……そのTVに出てはいるけど、バックダンサー的な?」


「へーそうなんやー?」


浅野さんが納得したように頷いた。


ニノも続けて

「一応先輩のバックに付きながら勉強?みたいな」



相葉ちゃんも続けて


「うん、結構有名な事務所だと思うけど……」


「えっ?違うかったらごめん、ジャニーズJr.とかってやつ?」


早瀬さんが正解を導き出したらしい。



相葉ちゃんが頷いたら
5人が一斉に

「えー??みんなジャニーズの人なん?」


と言った。


「あっ、ハイ一応」


相葉ちゃんが言うと中村さんが


「どおりでみんなかっこいい訳や?」


と言った。


「かっこいいかはわかんないけど……」

とニノが笑うと5人は口々に
勉強不足でごめんなさいとか
じゃあ先輩よろしくーとか言った。



ん……?





あれっ?




態度変わんない?



一般人でも、芸能人でもジャニーズって
知ると多少媚びた感じあるのに
こいつら全然ない?




こんな女もいるんだ?と思った。




てか、どんだけ自分が
いい男やと思ってんの?


気持ち悪っ……て言ったのは
第一印象の時の話を聞いた
千紗の言葉。
そう言われて
確かに……って思ったもんオレ。















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