初恋 修正版

□STAGE.5
1ページ/2ページ




「あっなぁなぁー、この問題やねんけど」


「あっ、これはこの公式だよ」


「なんや、そうなんや?」


「うん、この公式だけ当てはめたら後は超簡単だから」


「うわ、ホンマや!」


「意外と簡単でしょ?」


「うん、うち翔くんと知りあえて良かった〜」



「…翔くんって…」



「あっ、ごめん。みんな翔くんって呼んでるから…馴れ馴れしいよなぁ?櫻井くんって呼ぶわ〜」



「あっ、イヤ全然!翔くんって呼んでもらって構わないんだけど、ちょっとビックリしただけ」


「ホンマに?良かった〜!じゃあ翔くん!」


「うん」


早瀬さんが笑顔で言うから
オレも笑顔でそう言うと



「うわ〜さっすがアイドルやな〜」


なんて早瀬さんが笑った。


「えっ?」



「イヤ〜その笑顔メチャクチャ爽やか〜」


「早瀬さんの笑顔もすごく素敵だなって思ったよ?」


と正直に思ったことを伝えたんだけどね。



「またまた〜よー言うわ!褒めてもなんもで〜へんで〜」



「イヤ、ホントにそう思ったの!」



「ありがとう、ほんで早瀬さんじゃなくてあゆでええで〜」


そう言うとあゆちゃんはまた笑った。


デカイ声でデカイ口を開けて
笑うあゆちゃんが
周りに居る女の子と違い過ぎて…
こんな子もいるんだなぁ
なんて思った。


「あゆちゃんこっちで行く高校決まってんの?」


「あ、うん。編入試験受かったからそこ」


「ふーん」


「なんか、私立の学校で他のみんなも同じやで〜」


「へぇ〜」


「うん」


「じゃあ、春休みは引っ越しと収録なカンジ?」


「多分な〜」


「落ち着いたらまた一緒に勉強する?なんだったら、俺これと同じ参考書用意しとくけど?」


俺がこう言うと大体の子は
すっごく喜ぶ。



「えっ?マジで?助かる!」



ほらね。



「いいよ、全然。どうせ暇だし」


「へぇ〜ってか翔くん見た目と違って真面目やなぁ」


「えっ?」


「だって、ピアスしてたり…てか、おヘソにピアスってほんまなん?」


「えぇっ?」


「イヤイヤ、やっぱ流石にヘソピアスはないやんな〜」


「イヤっ……一応ヘソピアスだけど……」



「えぇっ!!マジ?めっちゃチャラいし!!」



「えっとあの……」


「見た目チャラいのに、めっちゃ勉強できるとかギャップが凄いねんけど!」


「うん、まぁ」



「でも、凄いやん。」


「えっ?そう?」


「うん」




っつーか女の子にこんな風に言われたの初めてだし……

っつーか…何?何なの?
周りの女子と全然ちげぇーんだけど?



「とりあえず、参考書用意しとくけど?」



「うん、お願いします」


「数学以外何かある?」



「うち、化学も苦手」


「了解しました!」


「な〜翔くんはさ、勉強と芸能活動と両立して疲れたりとかイヤになったりとかせ〜へんの?」



「うーん……たまにはイヤになる事もあるよ?けど、両立しようって決めたのは自分だから頑張るしかないじゃん?」



「ふーん、やっぱりちゃんとしてるわ…」


「うん……それが俺の取り柄だし?」



「あはは、やっぱり見た目はチャラいけど真面目やな!」



「うん」



その後はお互いの学校の
話してる間、相変わらずあゆちゃんは
ゲラゲラとデカイ口を開けて笑って…
俺に容赦なくつっ込んだりしてた。


次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ