初恋 修正版

□STAGE.5
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「てか、大野くんっていつ見ても寝てんなぁ」


「智くんよく寝るよね?」


「あゆ、ゴム持ってへん?」


確か美紅ちゃんだっけ?


「持ってんで、はい」


「ありがとう」


あゆちゃんからゴムを借りて
美紅ちゃんは髪の毛を纏める。

あ、俺この仕草好きかもなんてぼんやり考えた。


あんまりにもぼんやりと見ていたから
バッチリ目が合って、焦って俺は


「美紅って可愛い名前だね」



なんて言っちゃって
もうどうしようもないなぁって
一人で後悔したんだけど


「そうかな?うちはあんまり……」



何て言うから、ちょっと気になった。



「何で?って聞いてもイイ?」


「聞いてもイイってもう聞いてるやん!」


美紅ちゃんがそう言って
それが何だか可笑しくて
俺は笑っちゃって。


「ほんまそれ!!」
あゆちゃんにすかさずもう1つっ込み
頂きました。

「うちも、可愛いって思ってるねんけど、みぃはイヤやねんて〜だからうちらみんなみぃって呼んでる」



「へぇ〜」


「うん、だからみぃって呼んで櫻井くんも」



「あ、うん。」



っつーか可愛いって言われたら
女の子って普通は喜ぶんじゃないの?


あゆちゃんも、みぃちゃんも
別に喜んでる感じはしない。


一応俺だって、アイドルなハズだし
女の子には割とチヤホヤされる。


でも……
他の3人はわかんないけど
あゆちゃんも、みぃちゃんも全然普通だし。


「あ、ねぇ……俺の事も翔でいいよ」


「ん、わかった〜」



予想通りだけど…
”マジで?やった〜”的な言葉はなかった。


でも、逆に興味が沸いてきたりする。



だから、一人で座ってる千紗ちゃんの
所へ行ってみた。



「隣、イイ?」


「え〜で〜」


「中村さんって次高校だっけ?」


「うん、あゆとかなと同じとこやで〜」


「そうなんだ?二人と同じならまだ不安とかマシなの?」


「う〜ん……そうかもな、ゆずもみぃも同じ私立の中学の方行くから」


「へーじゃあ、みんな同じ学校か」


「うん、斉藤さんが右も左もわかんないんだから5人同じ学校にしときなよーって」


「そうなんだ?」



「うん、引っ越しするマンションも5人同じマンションやねん」



「へー親御さんも安心だな」



「ぶっ、はははは」



いきなり大爆笑する千紗ちゃんにちょっと驚いた。



「えっ?何?俺、中村さんがそんなに笑ってる理由がわかんないんだけど…」




「あはは、イヤ、親御さんって櫻井くん一体何歳なん?」



「えっ?16だけど」



「イヤ、あはは、わかってるけど!あー面白かったー!」



そんなに面白かったかな?
自分じゃ全然わかんねーけど。



「あ、ちぃでいいでー、みんなそう呼ぶから」



「えっ?あ、うん。俺も翔でいいよ」


「うん」


二人で爆笑してたら柚羽ちゃんが来た。
「ちぃちゃんこれ、この間借りてた本、ありがとー」



「あぁ、うん、どういたしまして」



「また、別のん貸してなー」


「うん、いいでー」


「そ〜いえば、今何爆笑してたん?」


「翔くんがさーいきなり親御さんとか言うから」


「ぶはははは、親御さんって」



そう言うと柚羽ちゃんも大爆笑した。



「佐野さんもそこまで笑う?俺何も変な事言って無いからね?」



「そうやけど、おもろいわー」


「ハイハイ」


「櫻井くんって見た目メッチャ軽そうやのに、言う事とかやる事?とかすっごい真面目なんですね」


「それあゆちゃんにも言われた」



「やっぱり?あ、ゆずでいいですよ、みんなそう呼ぶから、私も翔くんって呼んでもいいですか?」



「うん、わかった」



それだけ言うとゆずちゃんは向こうへ戻って言った。





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