仄かな光
□似てるけど似てないもの
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・・まだ書き途中・・。
「なぁ龍可、パワーツールドラゴンのカードに精霊は宿ってないのかな?」
唐突に龍亞が聞いた。
「えっ?」
龍可はそう言ったまま次の言葉が出なかった。
そういえば一番聞かれそうなことなのに、いまだにこのことは話題に上がったことが無かった。
どう答えたものか。たった今食べようと箸でつまんだ竹の子がむなしく宙に浮いている。
――私には見えない。
「そっか、いないか。」
黙りこくる龍可を見て、龍亞は一言、なんでもないことのように呟いた。
と、思うといきなり表情がぱぁっと明るくなる。
「まいっか!そんなことよりメシだメシ!
さぁーて!今日の味付けは上手くいったかな〜!?」
さっきとはうってかわって声が裏返らんばかりの元気で夕食に手を付け始める。
うそつき、と龍可は思った。「まいっか」なんて思ってないくせに。
第一、二人しかいないこの家では料理は二人でするし、そのときにしっかり味見もするのだ。それも、龍亞はつまみ食いの域に達するぐらいまで。
(そんな風に嘘、つかないでよ。)
兄は自分に気を遣っている・・と、龍可にはすぐ分かった。