仄かな光

□似てるけど似てないもの
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「龍亞は、精霊がいるからカードを大切にするの?」

「いや、もうその話はいいって。」

龍亞は話を遮ろうとする。めげずに龍可は続ける。だって腑に落ちないもの。

「パワーツールドラゴンは精霊がいなくても龍亞と強い絆で結ばれているように見えた。ディフォーマー達だってそうよ。」

「だから・・」

龍亞の箸が止まる。

「龍亞は、精霊のカードがほしいの?」

「だからもういいって言ってるだろ!!」

バンッと音がしてテーブルの上の食器がみんな一気に緊張した、ように感じた。テーブルが殴られたから。

一瞬、何がおきたのか分からなくて、龍可はお茶碗の横の、強く握られた龍亞の右手に釘付けになってしまう。

沈黙。たった2人にこの部屋は広すぎる。

予想外の兄の反応に龍可は内心すごく驚いていた。

素朴な疑問を思わず口に出しただけだったので、それがこんな風に返ってくるとは考えていなかったのだ。

「・・・ごめん。」

龍亞の言葉とともに、テーブルの上の握りこぶしがほどけて、するすると彼の膝の上に落ちていった。

「私も、ごめんね。」

もう少し考えから言うべきだったのかも、と龍可は思った。

2人の顔とつま先はフローリングに吸い寄せられるかのように自然と下を向いている。
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