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□夏の終わり
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山吹中。
今日は始業式。
終業式ぶりに会ったクラスメート達と話ながら、俺はなんか物足りない気分だった。

「よ、千石。」
「わ、テニス部以来だね。久しぶり、南。」
「ああ。」
「あ、あれ、亜久津じゃん。お〜い、亜久津」

手を振って、名前を呼ぶ。
亜久津はこっちを一目見ると近づいてくる。

「何手を振ってんだよ。うぜぇ」
「まあまあ、そのくらいいいじゃん。」

あ、やっぱり亜久津に会わなかったからじゃない。
俺は知らない内にため息をついついた。

「どうしたんだ?珍しくため息なんかついて・・・」
「う〜ん、なんかこの夏なんか物足りないなぁ、と思って、さ」
「物足りない?」

不思議そうに聞いてくる南、それと対照的に無関心な亜久津。

「夏〜って感じることをしてないような気がするんだよね、何だと思う?亜久津」
「俺が知るか」

冷たい反応。
なんとなく久々に感じながら、俺は物足りない理由を自分の中で探す。
すると、南が言った。

「夏か・・・・花火、風鈴、すいか、金魚、祭り。考えるときりがないなぁ。」
「・・・・・焼きもろこし、冷やし中華、冷や麦、かき氷。」
「南、地味すぎ。亜久津は食べ物ばっかり。」
「地味言うなっ」
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