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□please kiss me
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それは、やはり、あの場所で起こった。
立海大学附属中学校テニス部部室。

「赤也、お前らは、どこまでいったんだ?」
「はい?」

不意にそんなことを聞かれて、俺は全く理解できなかった。
どこまでって・・・・何が?

「何のコトっスか?」
「何って・・・千石とだよ」
「・・・千石さんと?」

いつも騒がしい部室がしん、と静まり返る。

「ああ、付き合ってることっスか?」
「そうだよ!!!」

一斉に皆言う。
柳生先輩、仁王先輩、ブン先輩他、真田副部長まで仲間入りしている始末。

「せ、先輩達には関係ないッスから・・・」

何で、一々俺が先輩達に千石さんとのラブラブですいーと(?)な生活を報告しなければならないんだろう。

「そんな冷ェこと言うなよ」
「この頃、全然相談してこないからよ」
「心配しているんだ」

なんて、どんどん話を勝手に進めてる先輩達。
そんな時、仁王先輩が。

「なあなあ、やっぱり、もうチューとかはしとるんじゃろ?」
「そんなの当たり前でしょ?」

お構いなく笑う先輩達。
チュー・・・・ってことはキスだよな。
キス・・・あれ?
俺ってまだ、千石さんとキスしたコト・・・

「あ、当たり前・・・なんスか?」
「はあ?」

またしん、と静まり返る部室。
先輩達は完全に固まっている。

「ええっ、ちょっと嘘ッ」
「いや、冗談だろ?」
「せ、先輩達をからかってはいけませんよ、切原くん」
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