KRK 's BSK

□葛藤
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「…優姫ちん、どーゆーつもり?」



「んー?むっくんは言葉でいっぱい人を傷付けてるみたいだからね、ちょっとお仕置き?」



「…なに、オレ何か間違った事言った?」



「世の中には言っていい事と悪い事があるんだよ。」




あたしは帝光中の男子バスケ部マネージャーをしているんだけど、部員であり彼氏でもあるむっくんこと紫原敦が、今日一人の部員に言った台詞が許せなくて、部活後に家に連れてきた。



《才能のないヤツがいくら努力なんてしたって無駄なだけ、いい加減気付けば?お前バスケ向いてないよ。》




むっくんにそう言われた部員の子は、折角一軍に上がれたばかりだったというのに、その後退部届を出して辞めてしまった。




「本当の事言っただけじゃん。あーゆー、努力は実るとか言ってるヤツうざいだけだし。」



「そう、じゃああたしも、むっくんの事嫌い。」




そう言い放つと、むっくんの気怠げな瞳が見開かれた。


嫌いになったなんて、勿論ウソだけど、今日はお仕置きだからこれくらいしないとね。

むっくんに言葉の暴力っていう意味を教えてあげる。




「…なに、それ本気で言ってんの?」



「うん。なに、あたしの事もヒネリ潰してみる?やれるもんならやってみなよ。」



「…っ、」




むっくんは珍しく感情を剥き出しにしたような、怒りと悲しみを混ぜてぐちゃぐちゃにしたような、そんな瞳であたしを睨んだ。


むっくんの、ネクタイでベッドと縛られた両手がぎしりと音を立てた。

さっき隙を見て縛ったんだけど、この分だとすぐに引きちぎられそうだ。

あたしは仕方なく自分のブレザーを脱いで、それで更に強くむっくんの両手を縛った。




「…嫌い、ってどーゆー事?何でオレが縛られなくちゃいけないわけ?」




悔しそうに唇を噛んだむっくんの前髪が、むっくんの目元を覆う。

両手が縛られてるせいで掻き上げられなくて鬱陶しそうに顔を顰めたむっくんの代わりに、前髪を掻き上げてあげると、ばちりと目が合った。

もう怒りはだいぶ収まったようで、少しの不安と不満が見え隠れする無気力なその瞳に、少し気分が高揚した。

あたし、征くん程じゃないけど、割とSっ気強いよね。

そう思って心の中で苦笑した。




「…さあ?なに、傷付いた?むっくんの言葉でもっと傷付いた人がたくさんいるんだよ?」




そう言ってむっくんのベルトに手を掛けて緩めると、さっさと下着ごとズボンを下ろした。

まだ何にも反応していないソコが露わになって、むっくんは咄嗟に顔を逸らした。




「意味わかんない、なに、抱くの?なんで?」



「愛のない行為がどれだけ傷付くか、教えてあげようかなって。」




そう言って、あたしはむっくんの脚をM字に開く。

それに抵抗しようと、長い脚が振り上げられるのを感じて、キッとむっくんを睨んだ。




「蹴れるの?あたしのこと。なら、嫌いから大嫌いになるけど。」




そう言うと、むっくんは眉を潜めて、全身の力を抜いた。

よかった、一か八かの賭けだったけれど、どうやらむっくんはこんな事されてもまだあたしのことが好きらしい。

まあ流石にあんな長い脚で蹴られると、いくら手加減してもらっても吹っ飛ぶ自信があったから、ちょっと安心。




「…もう勝手に何でもすればー?オレ絶対反省なんかしねーし。嫌いなら嫌いでいーし別に。」




そう言って怠そうに目を閉じたむっくんは気付いてるのかな。

肩が少し、震えていることに。




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