BOOK6
□destiny
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何度も優姫を犯す夢を見た。
それは不定期に、一年周期だったり、ツアーとかドラマの撮影とかで疲れている期間は一週間周期だったり。
昔から、自分が優姫を恋愛対象として好意を抱いている事を認めないように、気付かないように誤魔化してきた。
優姫はメンバーで、仕事仲間で、恋愛なんてご法度だと自分自身に言い聞かせてきた。
だけど、もう限界だった。
ある日、優姫を犯す夢じゃなく、優姫に“犯される”夢を見た。
それは今までのどんな夢よりも、そして実際に経験してきた行為よりも興奮して、犯されてるのに幸せで。
起きた瞬間、絶望感に苛まれた。
「…マジかよ、おれ…。」
その日、おれは中学生ぶりに夢精をして、パンツを洗いながらガチヘコみした。
以上が、おれの誰にも相談できない悩みである。
まさかそれから数日後に、おれにとって間違いなく人生でいちばんの事件が起きるとは。
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