BOOK7
□pure
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おれと入れ違いに仕事場を後にした優姫ちゃんの、ピンクの定期入れがおれの指先に触れた。
「…これ、優姫ちゃんの、」
ないと、きっと困るよねぇ。とりあえず優姫ちゃんにメッセージを送ってみる。……既読もつかない。
「どうしよ…。」
そんな事を考えている内に仕事が終わって。どうせなら、帰りに優姫ちゃんちによって届けてあげよう。そう思って、おれは優姫ちゃんちの最寄り駅に降り立った。
電話をかけてみる。やっぱり、出ない。
やぶくん達と何度か行った事のある優姫ちゃんちへと足を進めた。
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