BOOK8
□exist
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好き、って思ったら、涙が出るようになった。
きっと、おれの心はもう壊れちゃってて、それでも優姫ちゃんの側に居たくて。
「優姫ちゃん、ごめんね、好きだよ、捨てないで、」
優姫ちゃんに、また新しい彼氏が出来た、って知って、苦しくて、呼吸が出来なくなって、泣いて縋り付いた。
「明日、撮影でしょ。目腫れちゃうから泣かないで。」
おれだって、泣きたくない。でも、でも、苦しいよ。どうして、おれじゃダメなの。
「もう、わかんない、優姫ちゃんのこと、何にもわかんない、」