BOOK8

□use
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「ストレス、溜まってんだろ。おれで発散する事をオススメするけど、どう?」




そう言って、あたしに、ふ、と色を含んだ笑みを見せたいのちゃんは冗談を言っているようには見えなくて。


ピラミッドみたいに積み上げてきた今までの関係が、ガラガラと崩れる音がした。




「…それ、いのちゃんに何の得があるワケ?」




そう問うと、いのちゃんは笑みを深くして、ソファーの背凭れに背中を預けた。




「何だと思う?」




その、挑戦的な視線に、笑みに、何だか加虐心が湧いて。

ソファーに置かれたその男の子にしては白くて細い指を持つ手を、掴んだ。

思ったよりも、暖かかったその手は、いのちゃんが生きている、ひとりの人間であることを示していて。




「ストレス発散、させてね。」




そう言って微笑みかけると、いのちゃんもいつもの、何を考えているのかよくわからない、緩い笑顔をあたしに投げた。




「よろしくね、御主人様。」




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