BOOK8

□dear
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優姫ちゃん、と、震えた声を漏らすその薄い唇を塞ぐと、木くんは条件反射のように、あたしの服の裾をぎゅっと握った。



離れると、潤んで揺れる切れ長の瞳と視線が交わって。

その薄い唇が、もう一度、弱弱しくあたしの名前を紡いだ。




「…も、…っ入んない、…」




はふ、と木くんが荒く息をする度に、後ろに半分くらい捻じ込んだ、男性器を模ったピンクの玩具が微かに動く。




「まだ大丈夫だよ。いつも指もっと奥まで入るし。」




そう言って、脚をM字に開いたまま、不安そうにあたしを見つめる木くんを宥めると、木くんは眉を下げて、上気して赤く染まった顔を少し伏せた。




「…っ、指と、コレとじゃ、大きさ違うし…、」



「いいから、ちゃんと力抜いてよ。」




木くんの言葉を遮るあたしの言葉に、木くんは俯いて唇を噛んだ。




「…抜けない…。」




勝手に力入っちゃう。

そう言う木くんの顎を掴んで、唇に噛み付くと、木くんはびくりと震えて。




「、っん、!っ〜、ぅ、っう、」




キスに翻弄されて身体の力が抜けたその隙に、玩具を奥まで押し進めると、木くんはくぐもった声を上げて、あたしの背中をぎゅう、と掴んだ。




「、っは、っう、…」



「ほら、入るじゃんか。」




唇を解放してそう投げかけると、木くんは自分の脚の間から覗く、根元部分だけのピンクを見て、両手でシーツを握り締めた。




「、…優姫ちゃ、…くるし、…」




そのまま、自分でそっと自分のおなかに手をやって、




「……、も、おなか、ぱんぱん、…な、ナカ、広がっちゃう…。」




ぐす、と鼻を啜って、涙声で小さく呟く木くんに、加虐心は掻き立てられる一方で。


そっと、頬に片手を添えて視線を合わせると、木くんのゆらゆら揺れる瞳の中に、微笑むあたしの姿が映った。




「じゃあ、やめて、帰る?」




そう言うと、木くんはあたしをじっと見つめてから、悲しそうに顔を歪めて、俯いて。




「…やだ、…」




掠れた声でそう呟くと、ぽろぽろと涙をシーツに零した。



ああ、馬鹿な子ほど可愛いとは、よく言ったものだと思う。




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