OTHER

□TENNIS(リョーガ受)
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『生鮮食材』

 夜半…寝ようとしていたところを呼びつけられたリョーガは、訪れた部屋のドアを荒々しく開けた。
 踏み入る動作にも遠慮はない。
「来たか…」
 中にいたのは、リョーガを呼び出した桜吹雪と、でっぷりと太った巨漢の大徳寺。
 いつからつるんでいるかは知らないが、二人が揃っていて良い事があった試しがない…という事は知り過ぎる程に知っている。
 ニヤついた表情で待ち構えている二人に、リョーガは不機嫌も露に眉を寄せた。
「何の用だよ、オッサン」
「…エキシビジョンマッチの事で少しな」
「はぁ?カモは青学で、こっちはオレをリーダーにした選りすぐりの選手…って話で済んだじゃねぇか」
 賭けテニスの相手に、義弟のいる青学を選んだ事は記憶にまだ新しい。
 何か不具合でもあったのかと話の続きを待っていると、歩み寄って来た大徳寺がおもむろに腕を掴んでくる。
「…何だ、結局こういう事な訳」
 ベッドに投げ出され、両手を一括りに頭上のパイプに縛りつけられても、リョーガは抵抗しようとはしなかった。
 家を飛び出し、桜吹雪に拾われてから、幾度となく繰り返された行為。
 良くも悪くも見目良く成長したリョーガは、男たちに躯を暴かれる事には嫌でも慣らされてしまっていた。
 体を投げ出し、顔を背けて溜め息を吐いたリョーガは、傍らの大徳寺に顎を掴まれて痛みに小さく呻く。
 桜吹雪もリョーガを挟むように立って見下ろしてくる。
「リョーガ…お前にはお客様に出す料理の、食材選びをしてもらおうと思ってな」
 何とぼけた事を言ってんだ、という感じである。
「シェフ役はコイツだろ。食材選びもコイツの仕事じゃねぇの〜?」
 大徳寺を見遣ると、鼻で笑われてカチンとなる。
「テメェじゃなけりゃなんねぇ理由…すぐにわかるから、安心しな」





 衣服を全て脱がされ、人工の灯りの下に裸身を晒される。
 畳まれ、縛り上げられた脚では、閉じて中心を隠す事もできなかった。
「相変わらず白いな。染み一つない」
「そりゃあ、ピチピチの十五歳だし…っ…」
 不意に脂ぎった手で肌を撫でられたリョーガは気色悪さに息を詰める。
「感じるのか。すっかり淫乱な躯になりおって」
 勘違いも甚だしいが、言ったところでどうにもならない。
 抵抗すれば扱いが荒くなるだけ。大人しくしていれば、それなりの快感は与えられる。
 経験から知っていたリョーガは向けられる言葉を聞き流し、行為に集中していく。
 桜吹雪の指が、つんと尖った胸の突起を抓めば、潤滑油に濡れた大徳寺の無骨な手が下肢を暴く。
 同じ雄に興味がある訳ではない二人が、リョーガ自身に触れてくる事はない。
 リョーガの体を開く為、おざなりに肌を愛撫し、後孔を解すだけだ。
「ぅっ…」
 無造作に躯の裡を弄られる異物感には慣れる事がない。
 リョーガは唇を噛み締めて眉を顰め、男たちが満足するのを待った。
「……!」
 異物に強張っていた蕾が漸く綻んでくると、掻き回していた指を引き抜いた大徳寺が舌舐めずりして桜吹雪に視線を向ける。
「社長、今日はどっちからいきます?」
「私は口にしておこう。動くのは面倒だからな」
「んじゃ下やらせてもらいやすぜ」
 リョーガには、何の言葉掛けもなかった。

 顎を掴まれ、口を開かされる。

 脚を掴まれ、腰を浮かされる。

「ぅぐっ…!」
 桜吹雪の欲望を喉まで押し込まれ、尻肉を開かれた奥の窄まりに硬い楔が突き立てられた。

 上下から塞がれる圧迫感。

(枯れかけてるクセに、こんなときばかり盛ってンじゃねぇ…!)
 リョーガは呼吸もままならずに頭を振り、乱暴な侵入に引き攣れて痛い腰を逃そうと身を捩る。
「コノヤロウ、暴れるんじゃねぇっ」
「ふっ…ぅう゛っ…!」
 いきり立った大徳寺に腰を押さえつけられて、更に深く咥え込まされる。
 苦しさに喘いでも、空気を求めて開いた喉に桜吹雪の亀頭が突き込まれるだけで、苦しさが増すだけだ。
 揺さぶられ、掻き回され、部屋に充満する雄の臭いに吐き気がする。
 それでも、上顎をカリで擽られれば感じ、裡のしこりを抉られれば悦びに打ち震え、躯は熱を上げていった。





 折り畳まれた脚の感覚は既になく、部屋に差し込んでくる朝日が目に痛い。
「まだ寝るには早いぞ、リョーガ…全てはこれからだ」
「……な、に…?」
 結局一睡もさせてもらえないまま奉仕させられ、自分と二人が放った大量の精液を浴びてグッタリしていると、席を外していた大徳寺が意気揚々と戻って来た。
「漸く届きやしたぜ、社長」
「そうか」
 葉巻を燻らせながら、リョーガの脚を撫でていた桜吹雪が口元を緩める。
「良い食材が手に入ったんだ。まぁ、試してくれや」
 大徳寺が持って来たのは、水槽いっぱいに入ったウナギ。
 所狭しと動き回るウナギの中には、大人の手首程あるのもいた。
 桜吹雪の手が足を辿り、奥でヒクつく蕾に触れる。
「まさか…」
 顔を引き攣らせるリョーガの上に、ウナギがぶち撒けられた。
「すみません、社長っ。水が」
「…フン…まぁいい。さっさと、こいつに喰わせてやれ」
「へい」
 大徳寺はシーツの上で暴れるウナギを引き寄せ、リョーガの脚の間に突き付けてくる。
「やっ…ぁ…!」
 窪みをこつこつと突かれ、一度蕩けさせられていた蕾はぷっくりと膨らみ、中に放たれた濁液を溢れさせた。
「ぅあ、ぁあっ……!」
 桜吹雪の指に僅かに開かれていたリョーガには、最初からウナギの侵入を阻む事が難しかったのだ。
 そこへきて他のウナギが体の上を這いずり、勃立に巻きついてきて…ほんの一瞬だけ意識が逸れてしまった隙に、蕾を突いていたウナギが頭を捻じ込んで来た。
「くっ…ゃめ…っろ…!」
 ウナギはもぞもぞと身体を揺すり、リョーガの体内の奥を目指してのたうち回る。
 ヌルヌルとしたウナギの粘液と、蕾から溢れる濁液が混じり合って濡れた音が響く。
「ひっ…ぅ、ぁ…ぁ…っ…」
 ズリズリと進んでくる感覚が気色悪くて下腹部に力を籠めると、ウナギは狂ったように暴れて裡の媚肉を啄んだ。
「だ、め…っゃ…ぁうっ!」

 ―――頭が、真っ白になる。

 体を跳ねさせたリョーガは、荒い息を吐いて身悶えた。
 ウナギに犯されて絶頂を迎えた精神的ダメージ。
 巻きつかれて圧迫されていなければ、熟れた果芯から蜜を吐き出してしまっていただろう。
「このウナギは気に入ったようだな」
「ひぁっ―――」
 尻尾を引かれたウナギが更に奥に逃げ込んできて、リョーガは大きく体を仰け反らせた。
「…ぁ…ぁっ…も…抜け…よ、ぉ…くっ…!」
 腹から振り落としたウナギは桜吹雪たちに拾われ、胸の突起や脈打っている欲望の周りに戻される。
 桜吹雪たちはウナギたちを刺激して嗾け、よがり狂うリョーガの様子を愉しげに眺めている。
「抜いてやりたいんだが、ウナギが逃げるんだよなぁ…これが」
「それともお前が放したくなくて咥え込んでいるのか?」
「違ぇ、って…ぅ…っ触ん、な…ぁ…っ」
 男たちに犯される時よりも深く侵入してくるウナギは、既に半分以上をリョーガの体内に潜り込ませていた。
「気に入っちまったみてぇですぜ、社長」
「仕方がない。このまま次の食材にいくか」
 確信犯的な笑みを浮かべる二人は、意識を朦朧とさせるリョーガに構わず、次の水槽を運び入れる。
「ちょっと離れてて下せぇ…よっと」
「っ―――」
 リョーガに降り掛かって来たのは、タコ。
 流されまいと、リョーガの胸に吸盤で吸いつくタコは、ウナギよりは数を少なくするものの、リョーガの体を覆うには充分な数がいた。
「そっちだけじゃ寂しいだろ、こっちでも味わえ」
「痛っ…てぇっ…!」
 大徳寺に力任せにタコを引っ張られたリョーガは悲鳴を上げる。
 白い肌には吸盤の痕が紅く残り、ヒリヒリと痛んだ。
「ほらよ」
 引き剥がされたタコは、ウナギの潜り込んでいる蕾の近くに下ろされる。
 暫らく八本足で自分のいる場所を確かめていた様子のタコは、足先に触れた水気…リョーガの後孔から溢れた白濁の液に飛びついた。
「くっ…ムリ、だっ…て…!」
 ウナギでいっぱいになっている肉壺の入り口に足を掛け、ジュブジュブと柔軟な身体を埋め込もうとしてくるのだ。
 リョーガは不自由な腰を振り、払い落そうとするが落とせる訳がない。
 タコの侵略に刺激されたウナギも暴れ出し、リョーガの裡は滅茶苦茶に掻き回された。





 啄むウナギも、吸いつくタコも、ヌメった身体も相まってリョーガを翻弄する。
 両手両足の自由を奪われたリョーガに、自力で逃れる術はなかった。
「…はっ…ぁ…くるし…ぃっ…お…っさ…ぁ、っく…うっ!」
 だが桜吹雪に助けを求めても、救いの手が差し伸べられる事はない。
「そんなに美味いか?リョーガ」
「も…ぅ…と…て…っ…」
 ウナギだけでなくタコの脚にも絡みつかれたリョーガのモノは、かなり辛い状態になっていた。
 苦しさを通り越し、痛みさえ通り越し、既に感覚がなくなっている。
 リョーガは懇願し、涙を零した。

 だが―――

「私たちが手を出しても、悪戯に食材を暴れさせるだけじゃないのか?すっかりお前の体を住処にしているぞ」
「こいつらが飽きるか、日が昇って干乾びるまで待つこったな」
 望みは打ち砕かれる。
「気が向いたら食事くらいは運んでやるさ」
 縋るリョーガの視線の先で、無情にも部屋のドアは閉ざされた。
 部屋に残されたのはリョーガと…その体内や肌の上で蠢く生き物だけ……
 リョーガは拘束されたまま、日の光が燦々と降り注ぐベッドに放置され、いつ終わるとも知れない拷問に泣き、喘ぎ、体を震わせる事しかできなかったのである。





Fin.
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