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□キリ番5001 きい様へ
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「いい加減仲直りしなさいよ。」
*プリン姫*
…わかってる。
「もう二週間じゃないの。」
んなこと言ったって、向こうがオレの話なんて聞いちゃくれねえんだからしょうがない。
「もう毎日うるさいのよ!あの子。」
早く連れ帰ってくれない?と言ったサクラは、本当に呆れていた。
オレも困っている。
オレ達がケンカしたあの日から、いのはずっとサクラにくっついてまわっている。
まるでオレを避けるかのように。
「それで?」
「…は?」
「いつあの子連れて帰ってくれるの?」
サクラの声からは、少々のイラつきも感じられた。
オレがわかんねぇ、と返事をすると、
「あっ、そうだ!」
明日から一週間ほど任務で里外に行くから、とサクラは付け足した。
「だから何だよ。代わりに構ってやれってか?」
「そうだけどそうじゃなくて!」
なんだよ、とオレが聞くと
「今日中にいのと仲直りしちゃいなさいよ。」
協力はしてあげるから、と言ってオレの返事も聞かず、サクラは走りだした。
どうしてオレの周囲にはこうも人の話を聞かないやつが多いのか。
この間のいのも人の話なんか聞かず、バカだのアホだのと叫んで出ていった。
それはもう、耳がキンキンするんじゃねーか、ってぐらいの大声で。
「ったくめんどくせえ…」
そもそもオレといのがケンカした原因、それは、
いのが買った、限定品だというプリンをオレが食っちまった、といのが思っていること。
つまり、いのは自分のプリンを食べられたと思って怒った。
だが、オレはそんなもん食った憶えはない。
じゃあ誰が食っちまったかと言うと、恐らく、任務が無く暇だ、と騒いで家に遊びに来たキバだ。
他はチョウジぐらいしか家に入れない。チョウジは、いくら食い意地が張っていると言っても、流石に人のもんを食ったりはしない。
いのもサクラやヒナタを家に連れて来ているが、こいつらは人のもんを勝手に食ったりするやつじゃないし、いのも、自分で渡しておいて忘れるほどバカではないだろう。
ということで、犯人はキバでほぼ確定。オレが昼寝している間かなんかに、腹が減って冷蔵庫をあさったんだろう。
しかし問題が一つ。
いのに話しかけようとするものの、向こうはオレの話なんか全く聞いちゃくれねえ。
それに犯人だと思われるキバは、現在任務中でこの先半月は戻らないそうだ。
どうすっかな、と思ってふらふらしていると、任務の帰り道だというサクラに会った。
いい加減にしてくれない?
と。
オレは原因やらキバのことやらなにもかも話した。