small bro
□小さい兄さんとの生活
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奇妙な縁で出会ったソーダの妖精、エドとの生活は、不自由どころか充実した日々だった。
普段は僕の部屋にいて、一日一回炭酸の入った飲み物に入れてあげればいいだけなのだから。他の人には見えないエドだけれど、僕には小さいながらも存在も質量も確かに感じるものだった。
一度、氷じゃなくアイスクリームを入れてあげた。アイスクリームのほうが甘くて美味しいし、掴みやすいかなと思ったからだ。
「ソーダ濁るじゃないか!」
怒られた。
しかし、怒りながらクリームまみれになって急いで食べようとする姿が、とんでもなく可愛くてドキドキしちゃったのは内緒だ。また怒られる。
食事は、缶ミカン半分くらいでいいようだ。基本、何も食べなくても大丈夫みたいだけれど、小動物のように頬張る姿が可愛かったので定期的にあげることにしている。
氷に座って、はぐはぐ食べている姿は写真に撮りたいくらいだ。
ケータイでもデジカメでも、小さすぎて写りが悪いのは本当に残念だと思う。もっと接写のできる高性能なケータイに変えよう。デジカメも。
ソーダに入れてあげたサクランボに歯形が残ってたときもぜひ残したかったのだが、あまりに小さくて写真に写らなかった。
小さすぎると、不自由なこともあるけど、そんなことは些細な事だと切り捨てられるくらい楽しい毎日で満足している。
特に楽しかったのは、ちょっと炭酸強めのソーダに入れてあげた時。
「あ…なんか…気持ち、いっ…あっ…」
………気持ちいいんだ。
突然よがり始めたエドに、少し驚いた。
「あっ、あ…ん…ぁっ…はあ…」
頬を染めて、どうやら感じてしまったらしいエドは、グラスに入っていたストローに股間を擦り付けたりしている。
初めて見るエドワードの官能的な表情に、僕はドキッとしてしまった。高揚して薔薇色になった頬や、欲情でとろけてしまっている金の瞳。息を荒らげて小さな唇から、チロチロと覗く舌を見て、僕も体が熱くなってくる。
「あ、アルぅ…どうしよ…オレ…ああっ…」
どうしようって…どうしよう、僕も。
「エド、ごめんっ!僕ちょっと…」
下半身ののっぴきならない事情に、慌ててトイレに入った。できればエドを見ながら一緒にハァハァしたかったんだけど、嫌われたら悲しい。
トイレでエドの表情を思い出して、久しぶりに自ら行った行為は、やましいような気まずいような、十代の頃を思い出してしまうような気分になった。
「エド、ごめんね…て、エド!」
グラスの中で、氷につかまってグッタリしている。慌てて、スプーンで氷ごと掬って出した。
「アル…」
うっとりとしたその表情で、ああイッちゃったんだ…と思った。
見たかった。
ぜひ、立ち会いたかった…
変態と呼ばれてもいいから、ぜひ動画で記録を残したかった。
決定的瞬間を見逃した自分のバカさ加減に、後々まで後悔した。
おわり。
・・・・・・
かわいい小さい兄さんの秘められた部分に触れた気分です(>д<)
珠さま、すごいの。