Prince of tennis

□銀色
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月光の迷子を探すような明るさが 静かに辺りを照らす。真夏の夜。多少蒸し暑いものの歩いただけで汗がでる程では無い。
ただ宛もなく歩き始めて20分くらい歩いた時だった。

「にゃあ」

白い猫が俺の前に立ち塞がった。足元に擦り寄ってくる俺の手の平くらいの大きさしかないそれを抱き上げた。

「お、おまえさん俺と毛の色一緒じゃけぇのぉ。雅治二号って名前どうじゃ。可愛いじゃろ」
「あら仁王くん人ん家の猫に勝手に名前つけないでくんないかしら」

「なんじゃ、おまえさん飼い主いるんかー」

首輪つけてたからわかっとったけど。そのまま目の前に仁王立ちするクラスメイトの手に猫を返すと、白猫は淋しそうに小さく鳴いた。

「また来てもええ?」

どうぞ御自由に、と笑うあいつを尻目にとっくに沈んだ太陽の方向を目指して家路を再び歩き出した。

シロネコが恋のキューピッドになってくれることを期待して
(なんて柄にもないことを思ってみたりする)








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