GUNDAM00

□存在
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「…ハレルヤ」

私の胸元に鼻を寄せるハレルヤ。
廊下でこんなことしていれば嫌な誤解を招くことは予想できる。
しかし今の私にはこいつを退けるような術もなければ助けてくれそうな人も周りにいない。さて、どうしたものかと思いきやハレルヤは顔を上げた。


「テメェいい匂いするじゃねぇか」


変態、と叫んでやりたい。出来れば殴ってやりたい。本能がそう言っているが男女の力の差が見えているので止めておこう。せめて懐にスパナでもあれば…。


「まぁさっきまでケーキ焼いてましたから」

「食わせろ」


上目線なのがむかつく、とか言いたいことは沢山あるけど、取り敢えずこいつ、エロい。なんか危ない香りがする。
外面はこうも同じなのにいつものおっとりとしたアレルヤの面影は今の彼には無い。


「ダメよアレルヤにあげるんだから」

「あいつが食ったって俺が食ったって一緒だろーが」

「あんたはハレルヤ。私の恋人はアレルヤ。大違いよ。早くアレルヤを返して」

「あーうっせぇな俺もアイツも似たようなもんだろうが」

「どこがよ」

そういってハレルヤは私の唇に強引なようで優しい触れるだけの似つかわしくない優キスを落としていくと何も無かったかのように去っていった。

あいつはいつものように自分という存在を私で確認し、満足した上でアレルヤの奥底へとまた戻っていく。
わかってはいるけれどいつまで経っても慣れない。なんでかいつも迫られると自分が自分でないような気がする。気持ち悪い。

ため息をひとつつき、自分も自室に戻りラッピングしておいた包みをとる。実はハレルヤの分も作っておいたと言ったらアレルヤはこんなにたくさん食べられないよと苦笑するだろうか。




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