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ジャックと天空の巨人


 18歳のジャック(ニコラス・ホルト)は、ある修道士から不思議な豆を手に入れる。嵐となったその夜、ジャックの家へ道に迷った国王の娘・イザベラ(エレノア・トムリンソン)が訪ねてきた。その時、ジャックが床下に落とした豆から芽が出て、天空に向かって巨大な豆の木が飛び出した。ジャックは落下するが、姫は家ごと天空に連れ去られてしまう。
 翌日、国王の命令のもと、衛兵たちとともにジャックは姫を救うべく天空を目指す。しかし、豆の木の先には、伝説だと思われていた巨人の国があった……。

 誰もが知る童話「ジャックと豆の木」が、大胆なアレンジを加えて映像化! 原作では、追いかけてくる巨人から逃げ切って豆の木を切り倒し、めでたしめでたし──でしたが、本作は、そう簡単には終わらない。
 本作の巨人は、ジャックを追いかけて地上に辿り着いてしまう。しかも、その数およそ100!! 巨人VS人間の、文字どおりスケール違いの戦いはスリル満点です。

 豆と交換するのが、原作ではお母さんの雌牛なのが、本作ではおじさんの荷馬。巨人の城で金の卵を産むガチョウを見つけるというシーンも、ちょっと違う形で表現されています。そんな、原作とは違う点、アレンジされている点を探ってみるのも面白いかも。

 もちろん、物語の要となる豆の木は、しっかり物語に組み込まれています。天を突くように伸び上がる場面、地を震わせて切り倒される場面は、大迫力!! そこをよじ登ってゆくシーンも、手に汗握ります。
 天空に広がる巨人の国も、見応えありですよ。巨人たちも、いい感じに野蛮で、きもちわるい(笑)

 そんな巨人たちが次から次へと降ってきて、クライマックスは人間との壮絶戦。何十倍も大きさの違う巨人相手に、ジャックはどう闘うのか!? しっかり目を開けて、体を張った奇策の結末を見届けて下さい。
 ちなみにつばさは主人公ジャックより、衛兵隊長エルモントが好きです(笑) 男気あふれる感じがいいです、さすがユアン・マクレガー。彼なくして、この物語は成り立ちません。

「アリス・イン・ワンダーランド」「あかずきん」「スノーホワイト」「オズ」など、童話を映像化した作品が増えつつある昨今。もとが童話であるだけに、ファンタジックな映像美は、やはり見所です。
 ファンタジックなだけではなく、ダークな面もプラスして、簡単に「めでたしめでたし」とはいかないあたりが、一味違うエンターテインメント作品に昇華されているのではないでしょうか。

 そして、あのラストはまた皮肉がきいていて、よかったと思います。また一騒動あるんじゃないだろうかと思わせるラストで、最後まで心をくすぐる童話的演出を忘れていません。
 こんな「ジャックと豆の木」も、ありですよ!!
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