小説

□怪しいものではありません
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静かな日曜日のはずが騒がしい。
沢田家でリボーンとランボが言い争っているせいだった。

「が・ま・ん」

泣き出している時点でがまんしてない。
ランボは四次元ポケット並の収納量を誇るふあふあな頭からバズーカを取り出した。

「死ね。リボーン」

「ちょっとストップ!」

バーン

はっきり爆発音だとわかる音。
しかし、彼は華麗に十年後バズーカを避ける。

「アホ牛に構っている暇はねぇんだ」

ちゃっちゃっとどこかへ行ってしまう。
それでも突っかかろうとするランボの口にツナは飴を放り込んだ。



外に飛んだ弾はシルバーの少年にあたった。

ボンッ

「……並森、か?」

燻し銀の青年、獄寺隼人は素直に戸惑う。
ついさっきまでボンゴレ本部にいたのだから。

「あぁクソ。ランボだな。仕事が終わらないじゃねーか」

前半だけ本当の独り言。
ここにいても仕方がねえ、と思い一歩進める。
指令を脳から出そうとした瞬間、

「ハル」

と呟いてしまった。

「は、はひ!?あなた誰ですか?!」

まあ当然の反応。

「あ、いや、悪ィ」

こちらも当然の反応だと思われる言動。

「あ、もしかしてツナさんの知り合いですが?マフィアはディーノさんといいクールの外人が多いですからね」

うんうんと自己完結したように頷くハルに複雑な気持ちを抱く。

「(俺がカッコいいと言われるのはいいが跳ね馬がでるのはムカつくな)」

「でもどっかで見たことがあるんです。じゃなきゃ顔を見ただけでハルだとわかる訳ありません!」

じろじろ人の気を無視。

「テメェ…」

「あぁー!!」

「なんだよ?!」

「獄寺さんだ!貴方は獄寺さんのお父さんですね。でしたらハルの顔を知っていてもおかしくありません!だって未来のお嫁さんですからね!」

「、アホ女!お前は相変わらずアホだ」

「はひー!獄寺さんはお父さんにもアホ女っていっているんですか?!」

「誰が親父だ。アホ。俺はいくつの時のガキだ」

ちょっと言動機能から思考機能に変える。

「は、ハレンチです!」

自分の勘違いを本当にしてしまったハルは真っ赤になって離れた。

「お前の勘違いだろうか」

「怪しい人は離れて下さーい!!!」


怪しいものではありません


(お前は、本当)

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