小説
□桜雨の日に見た夢
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「お疲れ様でした」
「お疲れ様」
部活動を終えて帰宅するハル。
「(ツナさんの家に行きましょ!ランボちゃんと遊ぶ約束しましたし)」
花冷えする雨の中、ルンルン気分で傘を広げる。
ピンクの傘に薄い花弁がつく。
帰り道。
靴下をこれ以上濡らさないように歩く。
「あのこ、傘もささないでいるけど大丈夫かしら」
「声をかけたくてもおっかないよね〜」
通りをすれ違う人の会話。
「(はひ、まさか!)」
ぱしゃぱしゃと水溜まりが飛ぶ。
「獄寺さん!」
ぐっちょり濡れ鼠状態の獄寺だった。
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