小説
□やっぱり、君は面白い
1ページ/3ページ
「はあー」
これで72回目。
2時間中72回だから、2分に1回以上はため息をついている計算になる。
「心気くさい。何かあるなら話しなよ」
「でも雲雀さん、勝手に話始めると起こるじゃないですかぁ」
「時と場合による」
このため息少女は三浦ハルという。緑中の生徒だ。
故に僕の並盛中、応接室に入っていい人間ではない。
しかし彼女はここにいる。
お気に入りのモンブランを食べながら。
理由は簡単だ。
彼女を使えば赤ん坊と戦える確率があがるから。
それに彼女は酷く危なっかしい。
「あのですね。ハルがツナさんにフラれたのは知っていますよね」
「知ってる」
まったく、ココに来なかった時期があった。
「フラれた時からうーんと、泣いていたんです」
甘い黄金のスイーツが銀の槍にささる。
「3日か4日ぐらいの時に信じられない人が来ましてね」
「誰」
黄金の残骸を飲み込んで次の言葉を出そうとしていた。
.