小説

□わがままプリンセス
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ぱちくり
くりっとした目が開く。

「起きたか」

ぱち

「獄寺さん?」

「行きなり来たと思えば倒れるし、てめえは常識も知らねぇのかアホ女」

「そんなことは…」

がこ

「いったぁ」

「あーほ」

「人の不幸を喜ぶなんてデビルです!」

ぷー
膨れる頬は赤みを帯びている。

「ほら」

「はひ」

ヒヤリ
甘ったる紅茶のペットボトルを首筋に当てる。

「飲め。そんで帰れ」

「ヤです」

「帰れ」

「獄寺さんが誕生日祝ってくれるまで帰りません」

「誕生日だったか」

「殴りますよ」

べっし
顔にあたるはずの拳が押さえられる。

「殴っているじゃねーか」

「祝って下さい」

「オメデトー」

「棒読みですが良しとしましょう」

うん
出された白い右手。

「なんだよ」

「プレゼント下さい」

「図々しい」

「いいじゃないですか」

「これでいいか」

ぽん
置かれたのはケーキ。

「ありがとうございます…ってハルが買って来たのじゃないですか!?」

「うるせー」

きゃんきゃん
文句言いたげな口を押さえつけるためにキスをした。


これで満足か。
わがままプリンセス


(はひ)
(なら帰れ)

.

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