小説
□ハッピーバースデー
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クソッ。
銀髪の少年が悪態をつく。
今日は9月9日。
彼の誕生日である。
アネキのせいで十代目が折角開いてくれたパーティーが台無しじゃねぇか。
最愛の弟のために作ったケーキが仇になった。
明日、詫びを入れねーと。
ぼんやり考えていたらふと、仲の悪い知り合いが頭に浮かんだ。
アイツ来てなかったな…
って心配しているのかよ俺!!
噂をすれば何てやら。
視界に黒髪の尻尾が見えた。
「あ、獄寺さーん!」
ぶんぶんとちぎれんばかりに手を振る。
「アホ女何しにきやがった!」
「アホ女じゃありません!もう、折角バースデーだと聞いたからきたのに」
「…はぁ?」
ごそごそと鞄をあさる。
「今日知ったので急いで作ったから…」
可愛いラッピングのクッキー。
「獄寺さん。誕生日おめでとうございます!」
ハッピーバースデー
(あ、ありがとう……な)
(いえいえ。これかもよろしくお願いしますね)
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